胡蝶蘭(ファレノプシス:Phalaenopsis)栽培管理 贈答品株の植え替え方法

中輪系胡蝶蘭のリップが赤い黄花です。大輪系胡蝶蘭のリップが赤く中央部が白いピンク花です。大輪系胡蝶蘭の白花です。中輪系胡蝶蘭の黄花です。

胡蝶蘭栽培管理 贈答品(プレゼント)株の植え替え方法 

  トップページ品種別栽培管理方法はこちらから > プレゼントで頂いた胡蝶蘭の植え替え方法  
 

プレゼントで頂いた胡蝶蘭の植え替え方法

先ずは1回テキストを読んで植え替え作業の流れをイメージし
必要な道具等を準備した後、慌てずゆっくりテキストを読みながら作業しましょう。

 ■ 目次    

    1 植え替え時期
    2 準備するもの
    3 殺菌剤準備
    4 ハサミの消毒
    5 花茎のカットと殺菌消毒
    6 根を整理
    7 植え込み

1 植え替え時期

  プレゼントで頂いた胡蝶蘭を、来年また咲かせてみたいと思うのであれば、花が咲き終わる前に花茎をカットしてください。
  カットの時期は、先端の蕾が2個くらい残った頃、遅くても咲いた花が後方から萎れ始める頃です。

  花茎の付け根から1〜2節のところでカットし、花は花瓶に差して楽しみましょう。
  写真のように花が全て枯れるまで待っていると、その分株に負担がかかって弱ります。

      

  プレゼントでいただく贈答用の胡蝶蘭は、栽培用のポリポットのままか、
  ポリポットから抜いた状態のそのままの形で陶器鉢に収められていますので、できるだけ根鉢を崩さないように取り出してください。

  その時期が秋から冬の寒い時期でしたら、春まで植え替えるのを待ちましょう。
  ポリポットから抜いた状態で陶器鉢に入っていたものは、そのほとんどが水苔植えですので根鉢を崩さず、
  その大きさに見合った素焼鉢にそのまま入れ込んでください。
  
  ポリポットのままのものはバークチップ植えが多いので、そのまま管理するか、春までその大きさに見合ったプラ鉢や陶器鉢に納めて管理してください。
  春が来たらいよいよ植え替えです。
  ただ、陶器鉢から取り出した時に根腐れが多いようであれば、冬季でも植え替えしてください。
  そのままにしておくと根腐れが進行し、どのみち株全体が枯れてしまいます。

2 準備するもの

 ・ 素焼鉢
 ・ 水苔(できる限りランクAAA以上の良質のもの。)
 ・ 発泡スチロール(少量で構いません)
 ・ 殺菌剤(粉末剤)、綿棒(または小筆)、 殺菌剤をペースト状に溶かす時に使う容器
 ・ ハサミ(園芸用または切れ味のいいクラフト用)、バーナーまたはライター(ハサミ消毒用)
 ・ ヘラまたは洋食用ナイフ
 ・ ピンセット
 ・ 使い捨てプラスチックグローブ、または薄手の使い捨てゴム手袋
 ・ 支柱、ビニールタイ
 ・ 名札、鉛筆または油性マジック
 ・ 手指消毒用エタノール(作業開始時と株に直接触るときなどゴム手袋の上から手指にスプレーして消毒します。) 


                                      目次へ戻る

3 殺菌剤の準備

 @ 殺菌剤に水を少しずつ加えながら、綿棒や筆でペースト状になるまで練っていきます。
 A  写真右のように垂れにくい状態になるまで練りこみましょう。

       殺菌剤を溶いている状況。 殺菌剤は液状ではなくペースト状にします。


                                      目次へ戻る

4 ハサミの消毒

 @ ハサミは、消毒薬がない場合火炎消毒します。
 A ライターまたは小型バーナーで刃先が赤くなるまで焼きこみます。(写真 左)
    この方法は、簡単で確実に消毒出来ますが、焼きこむことで刃先 の切れ味は
    徐々に悪くなることは覚悟しておいてください。 焼いたハサミは水をかけて冷やしてから使用します。
 B 通常このような株を直接触る器具は、オーキッド洋庵では第三リ ン酸ナトリウムの
    飽和水溶液に浸して消毒管理しています。(写真 右)

       バーナーで火炎衝動中のハサミ。 第三リン酸ナトリウム飽和溶液に漬け込んで消毒中のハサミ、ヘラ、ピンsネット。


                                      目次へ戻る

5 花茎のカットと殺菌消毒

 @ 先ず花茎についている整姿用針金を外します。
 A 針金を外したら、花茎基部から5〜6cm、または、第1節上部を消毒済みのハサミでカットします。
 B 切り口にはすぐにペーストにした殺菌剤を塗布してください。 放置しておくとすぐに切り口が乾燥し、
    そこから細菌類が侵入し やすくなります。
 C 薬剤は切り口だけではなく、必ずその周囲にも塗布してください。切り口から約1〜2cm程度で構いません。

       消毒したハサミで花茎第1関節上部をカットする。 花茎をカットしたらすぐにペースト状の殺菌剤を塗る。


                                      目次へ戻る

6 化粧鉢から株を取り出し根を整理

 @ 花茎の切り口に塗布した薬剤が乾いたら次の作業に移ります。
    薬剤が乾くまで次の作業は行わないようにしましょう。
 A 贈答用胡蝶蘭は栽培されていた時のビニールポットに入った状態か、ビニールポットを外した状態で
    そのまま化粧鉢に入れられ、 発泡スチロールで固定し、上部から見えないように
    水苔でカバーされているのがほとんどです。

       化粧鉢の中は、ビニールポットに植え込まれた株が入っていることが多い。

 B ビニールポットを外し、水苔やバークチップなど植え込み材を取り除きます。
    根を折らないように、作業は慎重に行ってください。
    ビニールポットに入っていないものは水苔植えのものが多いので、水苔が乾いている場合は
    一旦湿らせ硬くなった水苔を柔らかくしてから取り除く作業をしてください。

       ビニールポットを外す。

 C 植え込み材を取り除きながら、根の状態をよく観察します。
    傷んだ根があればどこからカットすればいいか、
    健全な根がどれくらい残るかなど、しっかり観察しておきます。

       植え込み材を取り除きながら根の状態を観察する。

 D 指先で取り除けない植え込み材はピンセットを利用します。このピンセットも
    常時第三リン酸ナトリウム溶液で消毒管理しておきましょう。

       指先で取り除けない植え込み材については、ピンセットを使って取り除く。
 E 植え込み材を取り除いたら、シャワー水で根を洗っておきます。
 F 次に根の整理をします。
    枯れた根、腐った根、傷みが進行中の茶色に変色した根などを切り取って整理します。
    傷んだ根を途中から切り落とすときは、傷んだ部分だけでなく
    境目から1〜2cmの健全部で切り落とします。

       傷んで切り捨てる根と健康な根。 根を切り取る位置は、健康な根と腐った根の境目から健康な方へ1cmくらいの所。

 G 殺菌剤は根をカットするたびに塗布します。後でまとめて塗ってもいいのですが、
    整理した根の数が多いと塗り残しが出たり、整理している途中で
    傷口から菌が侵入する恐れもあります。
    根の整理が終わったら、塗布した殺菌剤を乾かしてください。

       根をカットしたらすぐに殺菌剤を塗っておく。


                                      目次へ戻る

7 植え込み

 @ 準備した素焼鉢の底に防虫ネットを敷き、その上に数個の発泡スチロール片を置きます。

       鉢底に防虫ネットと発泡スチロールを置く。

 A 水苔は植え替え作業に入る前に水で戻して準備しておいたものを使います。
 B 水苔を手に取りボールを作ります。
    大きさは整理した株の大きさ、根の長さ・本数等により異なりますが、整理した根で包んだとき
    丸みを帯びて包める大きさが理想的です。
    一般的には、ゴルフボールかもう少し大きい程度のボールでいいでしょう。

       ボール状にした水苔。大きさはゴルフボールより若干大きめ。

 C ボールを根幹部に当てたら、根で包み込んでください。
    根を折らないように、全体的に優しく慎重に行ってください。

       ボールを整理した根全体で包む。

 D 根でボールを包み込んだら、片方の手で根全体を包み込むように優しく握り、
    株を回しながらもう片方の手で水苔を巻いていきます。

       水苔で根を巻いていく。

 E 水苔を巻き終えたときの姿は、上部が押さえ込まれていますからフレアスカートのように
    裾が広がっています。
    その状態で植え込む鉢の上に置いた時、鉢の縁をしっかり覆い被すようであればいいのですが
    貧弱だったり、量が多すぎた場合は加減してください。

       巻いた水苔の大きさは、鉢の縁を覆う程度。

 F 適量の水苔を配したら鉢の縁を覆い被すように置き、株の中央部を両手で持ち一気に押し込みます。
    鉢の縁からはみ出していた水苔も押し込みます。
    ある程度押し込んだら鉢を回しながら、親指でしっかりと全体を 入れ込んでいきます。

       両手で一気に水苔と一緒に株を押し込む。 縁から溢れた水苔を鉢内に押し込み、全体的に平均に押し込んでいく。

 G 水苔上部は鉢の上縁部から1cm位の深さにし、水が溜まるウォー タースペースを作ります。
    ウォータースペースは灌水した水が一旦そこに溜まり、徐々に水 苔に浸透していくために必要なものです。

       水苔は、鉢の縁上部から1cmくらいの高さにし、水が溜まるウオータースペースをつくる。

 H 鉢縁の水苔は、親指などでしっかり押し込んでください。
    洋食用ナイフやヘラなどを使うと押し込みやすく、仕上がりも綺麗になります。

       鉢の縁の水苔は、ヘラなどを使って押し込むと仕上がりが綺麗になる。

 I 株がグラつくようであれば、支柱を立てビニタイで固定しておきましょう。
 J 植替え年月日を書いた名札を立てて植え込み作業は終了です。属名・品種名が判っているものは
    それも記載しておきます。

       植替え年月日を書いた名札を立てて植え込み作業は終了。

 K 植え替え(植え込み)後1〜2週間は水をかけず、葉への霧吹きだけ行ってください。
 L やがて株が安定すると、新しい根や新芽(天葉)が出てきます。これで植え替え成功、通常管理に切り替えてください。
    肥料はその頃から与えてください。

       植替えが終了した胡蝶蘭です。


                                      ページトップへ戻る

copyright(C)2012 orchid Youan Kunihiro shimmura. All Rights Reserved.
何人たりとも、当サイトに掲載されたイメージ(写真等)記事その他について、無断転載等を禁止します。