オンシジウム属栽培管理方法

写真1 黄色が鮮やかなオンシジウムです。写真2 黄色が鮮やかなオンシジウムです。写真3 黄色が鮮やかなオンシジウムです。写真4 黄色が鮮やかなオンシジウムです。

オンシジウム (Oncidium:記号Onc.)栽培方法 

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オンシジウム属栽培管理方法

先ずは栽培ポイントをしっかり読んで、栽培方法、育て方をイメージしてください。

 ■ 目次    

    ■ オンシジウムの特徴
    ■ ポイント
    ■ 置き場所について
    ■ 潅水について
    ■ 遮光について
    ■ 肥料について
    ■ 植え替えについて
    ■ 病虫害について

 ■ オンシジウムの特徴

   一般的によく目にするのは、艶やかでボリュームたっぷりに咲いている黄色の花が多いのですが
   他にもピンクやオレンジ、あるいはチョコレート色した品種までありバラエティーに富んでいます。
   花を近くで見ると、まるで舞踏会で華やかにダンスを楽しんでいる女性たちに見えます。
   ダンシングレディーと呼ばれる所以です。
   株は小さなものから大型まで様々です。花もちがいいため切り花としても利用されています。
   また、小型の品種でChocolate fragrance(チョコレートの香り)や、Vanilla fragrance(バニラの香り)など
   甘い香りを漂わせるものもあり、場所を取らず栽培容易なことから女性にとても人気があるランです。


                                      写真 オンシジウム シャリーベビー スイートフレグランスです。花の色も香りもチョコレートです。   

                                             チョコレートの香りがするオンシジウム      


 ■ ポイント

  ・  自生地は中南米で約400種が生息しています。
  ・  家庭栽培で温室不要のものが多いのですが最低温度は5℃と心得、
     なるべく8〜10℃以上で越冬させたほうが株の成長にはいいでしょう。
  ・  春から夏の終わり頃までの成長期に、新しいバルブをしっかり太らせることが大切です。
  ・  水やりは植込み材をカラカラに乾かさないように与えます。
  ・  成長期のポイントは日照管理と通風管理です。明るく風通しのいい場所で管理しますが直射日光は禁物です。
  ・  冬季栽培(休眠期)のポイントは温度管理です。 薄葉系、厚葉系、棒状葉系、剣状葉系により冬季最低温度が異なります。
  ・  開花は冬咲き、春咲き、夏咲きとあり中には不定期咲きの品種もあります。
  ・  成長期には固形肥料と液体肥料を与えます。
  ・  鉢間を詰めて管理すると、葉が風などで擦れ合い傷めるうえに風の通りが悪くなり、
     カイガラムシが発生しやすくなるので注意が必要です。


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 ■ 置き場所について

 1 春先からの成長期は、なるべく長く太陽光が良く当たる風通しが良い場所に置きますが
   直射日光はダメージを与えるので30〜40%程度の遮光ネットを、株から1メートル以上離してかけておきます。

 2 棚に置く場合は、雨水の跳ね返りが届かない高さに棚板を設置しましょう。 
   ナメクジ対策で、棚脚には銅板や銅線などを巻いておくと忌避効果があります。
   また、棚足全てを鉢皿に入れ、水を張っておくことでもナメクジ除けになります。
   ただ、棚足が鋼製の場合、錆の心配がありますので小さなビニール袋等で覆いずれないように
   テープで固定しておきましょう。

 3 冬季は室内の日当たりがいい場所で10℃以上をキープできる場所に置いて管理します。
   この時注意すべきことは、エアコン等の暖風が株に直接当たらない場所、
   またガラス窓に近づけ過ぎないよう気を付けます。


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 ■ 灌水について

 1 春先からの成長期には、厚葉系のオンシジウムはコンポスト(植え込み材)が乾いたらたっぷり与えます。
   薄葉系のオンシジウムは水を好みますので、コンポストが乾き始めたら水を与えてください。
   薄葉系についてはコンポストをカラカラに乾かさないよう気を付けてください。
   梅雨の雨には当ててもかまいませんが、夜温が下がる秋の長雨には当てないようにします。

 2 晩秋から冬の時期は、厚葉系のオンシジウムは周囲の温度が10℃くらいの場合2週間に1回、15℃くらいの場合
   10日に1回を目安に潅水します。
   何れも温かい午前中に与えるようにしてください。


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 ■ 遮光について

 1 できるだけ陽に当てて栽培するのがいい結果をもたらしますが、風通しが悪いと葉焼けを起こすので要注意です。
   扇風機などで一日中風を送れる場合を除き、
     春〜初夏と秋には 30〜40%程度
     盛夏には40〜50%程度
   の遮光をしたほうがいいでしょう。

 2 梅雨の雨に当てている間も、突然の晴れ間に備え30〜40%の遮光ネットは張ったままにしておきましょう。


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 ■ 肥料について

 1 基本的な肥料の3要素はしっかり覚えて下さい。
  @  窒素成分(記号:N)   しっかりした葉を作るために欠かせない肥料です。「葉肥え(はごえ)」ともいいます。
                    成長期には多く与えてしっかりした株作りを行いますが、成長期が過ぎたにもかかわらず
                    いつまでも与え続けると、逆効果が現れ軟弱な株になってしまいます。
                    また、花芽にも影響しいい花が付かなかったり、蕾の替わりに高芽が付いたりします。

  A  リン酸成分(記号:P) 開花には欠かせない肥料です。野菜・果実では充実した実を付けるために必要な肥料で
                   「実肥え(みごえ)」といいます。
                   液肥や固形肥料には元々配合されていますが、単独で与えたり、リン酸成分を多くしたい時は
                   晩夏から与えたらいいでしょう。

  B カリ成分(記号:K)    しっかりした根を作るために欠かせない肥料です。「根肥え(ねごえ)」ともいいます。

 2 春になり夜間の最低温度が10℃以上になると株が動き始め新芽が出始めます。
   新芽が芽生え始めたら施肥を始めます。
   N・P・K配合比が同等か、窒素成分が多い液肥を使用説明書に従って与えてください。
   固形肥料は、新芽新根が伸び始めたら与えます。梅雨前から夏の猛暑になるまでの間与えますが
   与える量については、製品や鉢の大きさ等によって異なりますので使用説明書に従ってください。
   ※ 同じ号数の鉢でも、株数が多い場合と少ない場合がありますので、量の増減は若干あっても構いません。

 3 いつまでも窒素分の多い肥料を与え続けていると、花芽にならず高芽になってしまいますので要注意です。
   
 4 気温30℃以上の猛暑日が続く夏季は、固形肥料の施肥を中止します。30℃を下回ったら、
   リン酸成分が多い肥料を1ヶ月ほど与えますが、気温が15℃を下回る頃にはすべての施肥を終了します。
   夏の暑い期間は薄めの液体肥料だけで充分です。

   近くに施肥について勉強できる環境(愛好会など)がない場合は、園芸店・ホームセンターなどで
   次の肥料をそろえておくと便利です。
  @ 発酵油粕(ペレット状固形肥料)
  A 骨粉 (燐酸成分が多い)
  B 液体肥料原液(N・P・K配合比:8-8-8や10-10-10など、同等の混合比)

 5 前記の発酵油粕ペレットや骨粉をお茶袋に入れて与えると、肥料カスが植え込み材やヘゴに詰まらないため
   カビが生えにくくなり、コバエなどの虫が卵を産み付けず、取り換えも簡単なので便利です。
    (下の写真を参考にしてください)

    油粕ペレット 骨粉ペレット お茶袋に入れた状態 お茶袋を輪ゴムで縛り、虫の侵入を防ぐ

   写真の肥料の量は見本です。鉢の大きさ、株の大きさによりその量は加減してください。商品の肥料袋には
   使用数量等が記載されていますので、よく読んで目安にしてください。

   ヘゴにはヘゴ板の上方に吊るして、灌水の時しっかり水をかけて中の養分を流します。
   鉢植えの場合は、なるべく新根から離して置いてください。
   灌水の度に置き場所を変えると袋と植え込み材の間にカビが生えにくくなります。


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 ■ 植え替え等について

 1 植え替え・株分けは春になり、新芽・新根が動き始めてから行います。
   冬に咲き終わった株は、温かくなるまで休ませておきましょう。
   地域によって開花時期や気温が異なるので一概に●●月といえませんが、
   だいたい4〜5月頃を目途に植え替え作業を開始します。
   夜間の平均最低温度が13℃を越える頃になったら作業を始めても大丈夫でしょう。

 2 資器材は素焼き鉢と水苔が一般的です。
   プラスチック鉢とバークチップなどでも構いませんが、鉢の中が乾きすぎないようにするために
   バークチップと軽石、バークチップとヤシ殻などを混ぜたミックスコンポストがお勧めです。
   さらに細かくちぎった水苔を少し混ぜてもいいでしょう。

 3 オンシジウムは成長が早いので、すぐに鉢の中がいっぱいになります。
   2年に1回植え替えすることをお勧めします。
   バルブが増え、鉢の縁に届くころが植え替え時期の目安です。

 4 バルブ数が増えた場合は、そのまま大株づくりにしてもいいのですが
   株分けをして増やすという手段もあります。
   大株にする場合は、一回り(1サイズ)大きめの鉢に植え替えます。
   株分けする場合は、あまり小さく分けるとその後の成長が悪くなりますので
   大きめのバルブで3〜4バルブ、小さなバルブだと5〜6バルブを1つの集団とします。

 5 根腐れを起こし株が弱っているものについては、季節を問わずすぐに処理しください。
   春を待っていたのでは回復不可能になる恐れが大ですので、緊急避難的処理になります。
   秋から冬に処置した場合は、処置後温かい部屋でしっかり回復させてください。

 6 植え替え方法は

 (1)素焼き鉢水苔植え
   @ 大株つくりの場合は、株を鉢から抜いて根の整理をします。
     水苔があまり傷んでいない場合はすべての水苔を取り除かずに
     ぼろぼろになった部分だけを取り除き、水苔を足して植え替えたほうがいいでしょう。
     傷んでもいないのに不必要に水苔を取り除き、根の整理をしたのでは逆効果で
     ダメージを受けてしまいます。

   A 水苔がぼろぼろに傷んでいた場合はピンセット等を使い、根に絡んだ水苔も丁寧に取り除いてください。
     水苔を取り除いたら流水で根を洗い、余計なごみを取り除きます。

   B 根の水を切った後、傷んだ根を整理していきます。
     しっかり消毒したはさみで、黒くなって腐った根を切り落としていきます。
     株元から腐った根は株元で切りますが、根の途中から腐ったものは境目の健康な部分
     約1cmくらいのところで切り落とします。

   C 切った部位には必ずペースト状の殺菌剤を塗布しておきます。

   D 根の処理が終わったら植えこみますが、殺菌剤を塗布した場合はそれが乾くまで待ってから作業します。

   E ボール状に固く丸めた水苔を、株の基部に当て根で囲みます。(抱きかかえさせる)

   F 根の周囲には鉢の直径より若干大きめに水苔を巻きますが、この時注意しなければならないのは
     鉢の中心部に植え込むための巻き方ではなく、新芽(新しいバルブ)が伸びる方向を広くして
     少し片寄らせた巻き方にします。 要は鉢の真中に植え込まないようにするということです。

   G 植込む際はデンドロビウムのように、水苔があまり固くならないようにしてください。
     上部のウオータースペースは、必ず1cm以上確保してください。

   H 植込みが終わったら名札に植え込み年月日を記載して立てておきましょう。

 (2)プラスチック鉢ミックスコンポスト植え
   @ 鉢は株に対して少し大きめがいいでしょう。
     水苔植えのイメージで同じくらいの大きさにすると、株の大きさ(特に葉の大きさ)に対して
     小さすぎて倒れやすくなります。

   A ミックスコンポストは、Sサイズバークチップ、バークチップと同じくらいの大きさの軽石
     小さなヤシ殻等を混ぜて利用します。
     バークチップをメインに2種混合でも3種混合でも構いませんが、混合比は同等にします。

   B 鉢底に鉢底用軽石を敷き、その上にミックスコンポストを被せます。
     深さは株の根の量・サイズを考えて決めます。

   C 株はプラ鉢の中央に置くのではなく、新芽が伸びる方向を開けておきます。

   D 位置が決まったらミックスコンポストをまんべんなく入れていきます。
     根の間にも投入しますが、この時はステイックで突きながら隙間ができないよう押し込んでください。

   E コンポストを全体的に入れ込んだら、ヘラを使って鉢とコンポストの境目を何度も突きながら鉢を一周し
     コンポストを締め込んでいきます。
     この時、締めあげられることで鉢の中のコンポスト、特に株の反対側のコンポストが膨れ上がってきますので
     片方の掌・指で上からしっかり押さえつけ膨れ上がらないようにします。
     こうすることで鉢の中がしっかり締められます。

   F コンポストは鉢の縁付近まで入れても大丈夫です。潅水をしているうちに隙間が埋まり始め
     やがて全体的に若干下がります。

   G 不安な場合は支柱を立てて株を固定してください。
     支柱を差し込む作業で締まったコンポストが緩むことがありますので
     支柱を立てて株を固定したら、再度ヘラでコンポスト全体を締める作業をしたほうがいいでしょう。

   H 植え込み年月日を記載した名札を立てて作業を終わります。
     いずれの場合でも、植込み後はしばらく風通しがいい明るい日陰で管理してください。
     数日間は潅水を控えます。
     根をカットした株はダメージが大きいので、根をカットしなかった株より若干長めに潅水を控えます。


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 ■ 病虫害について

 (1)病気
    オンシジウム固有の病気というものはなく、一般的病気を念頭においてください。
    ただ、オンシジウムの葉には黒点が多くみられますので、その原因は理解しておいたほうがいいでしょう。
    これは黒斑病です。

   @ 薄葉系では、根が傷んだ時に発生しやすくなります。
     原因としては、肥料や水の与え過ぎ、植え替えが遅れたことによるダメージ等があります。
     また、低温多湿状態時にも発生しやすくなりますので注意してください。

   A 厚葉系は低温多湿状態時に発生しやすくなります。特に冬季の潅水は注意しましょう。
     低温時に水を与えすぎないことです。

   B いずれの場合も、一度黒斑が発生したら元には戻りません。
     春暖かくなったら植え替えをして、その後の管理をしっかり行ってください。

   C バイラス(ウイルス)はハダニ等吸汁性の虫や、植え替え器具、潅水時の罹患株からの水しぶきなどで
     伝染しますので、定期的な害虫駆除、はさみ等器具の徹底的消毒、株間の確保等をしっかり行いましょう。

 (2)害虫
   @ 高温乾燥期にはハダニが発生しやすくなります。
     風通しを良くして、あまり高温にならないようにし、打ち水やシリンジなどで適度な湿度を保ってください。
     ハダニは葉の裏に寄生して吸汁しますので、潅水時に葉の裏へも水をかけるなど普段から対策をとっておくことです。

   A カイガラムシも寄生しやすいので観察と適度な処理が必要です。
     カイガラムシは葉の付け根付近でよく見かけます。見つけたら速やかに柔らかい歯ブラシ等で取り除き
     周囲も含めて薬剤処理をしておきましょう。

   B 蕾が上がり始めるとアブラムシが寄生することがありますので観察が必要です。発見次第駆除しましょう。
     また、アリも寄ってくることがあります。
     これらは蕾のところで分泌する蜜が原因ですが、蜜を取り除こうことは困難なのでアブラムシやアリを駆除してください。

 (3)薬剤処理
   @ 薬剤散布は薬剤の使用説明書に従って定期的に行ってください。

   A 殺虫殺菌は個別に行わなくても、薬剤を混合して行えるタイプがほとんどですので同時に処理できます。

   B 薬剤については、1つだけの薬剤をずっと使うのではなく、数種類の薬剤を準備して  
     毎回取り換えて交互に使っていったほうが効果があります。
     特に殺菌剤については、予防効果が高いものと殺菌能力が高いものがありますので
     使用する薬剤はどちらに効果的なのか知っておくことも大事です。


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